創立50年を迎える高知市こども劇場と、江戸時代から続く伝統芸能を受け継ぐ千之丞さん。
コロナ禍で芸術文化の優先順位が低くなることがやむを得ないという風潮の中、共に芸術文化の継承を目指す立場で、そんな風潮をひっくり返すぐらい希望のある未来を見出したいと考え企画しました。
コロナ禍の今、舞台芸術に思うことや未来に伝えていきたいカタチやオモイなどを、千之丞さんと高知市こども劇場の武市真寿美が対談形式で話を展開していきます。
参加者の声を聴く時間もあり！
才能豊かな若き狂言師、三世茂山千之丞さんを間近で感じる貴重な機会です！

事前の申し込みが必要です。
お席に余裕があれば14日の講演会場でも参加申込を受け付けますが、お早めに！
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、座席数を縮小する可能性があります。

1983年、京都市生まれ。本名、茂山童司。江戸時代から続く大蔵流狂言方 茂山千五郎家の血筋でありながら、英語も堪能なバイリンガル狂言師です。
祖父である二世千之丞氏は、兄の四世千作氏（人間国宝）と共に、新劇の舞台に立つなど当時タブーであった他芸能との交流を積極的に行い、閉鎖的だった狂言界に新風を吹き込みました。今でこそ、狂言師が映画やテレビで活躍することは珍しくありませんが、実は彼の祖父こそがそのパイオニアだったのです。
祖父（2010年没）の薫陶と、国際的に活躍してきた父あきら氏の影響を受けた童司さんは、2018年に三世千之丞を襲名し、テレビ・舞台・執筆活動など表現者としての新境地を開拓しています。古典芸能の世界に身を置きながら、いつも新しいことに着目し、狂言の枠にとらわれることなく、新たな芸術文化の創造を模索しています。
高知市こども劇場でも2003年に初演。当時20歳の若者であった童司さんに、あっという間に私たちは心をつかまれ、その後も上演を重ねながら眩しく成長されていく姿を喜んできました。
好きなものはタオルケット。おしゃれでチャーミング。ボブ・ディランをこよなく愛する魅力的な方です！

私たち高知市こども劇場の活動において、舞台鑑賞活動は特に重要な意味を持っています。
子どもとおとなが共に行なう生の舞台鑑賞が、親子関係や人格形成期の子どもたちに与える良い影響は無限大です。それを大切にしながら、私たちは半世紀もの間「子どものための舞台芸術」「子どもとおとなが共に観る場」を守ってきました。
しかし、今年初旬から訪れたコロナ禍の影響で世の中は一変し、私たちがコツコツと長年守り続けてきた大切なことも危機にさらされています。こども劇場では昨年12月以来舞台上演が行えず、9月にやっと公演を再開いたしましたが、まだまだのびのびと舞台を楽しむ環境にはありません。劇団の方も活動が激減し存続の危機にさらされています。
全てがまだ辛抱の時期にある中、いま私たちにできること。
それは文化芸術がどれだけ人にとって大切なものかを確かめ直し、文化芸術の灯を胸の中で灯し続けること、そして明るい未来、希望ある展望を描いて信じ、自由になった暁に動き出せるチカラを蓄えることです。
前日にひとつの空間で感動を共有した、茂山千之丞さん、会場の皆さんと一緒に、この集まりから希望ある未来を紡ぎたいと願っています。
講師の千之丞さんは、とてもユニークで、聞き手の心は刺激を受けるはず！
コロナ禍だからと俯かず、千之丞さんのお人柄に触れながら、明るく楽しく、コロナ禍における文化芸術やその未来について一緒に考えましょう！

高知市こども劇場創立50周年記念事業
狂言実行委員会