【低学年例会報告】人形劇団ひとみ座『岸辺のヤービ』

子どもとおとなが一緒に年4回、生の舞台(演劇・音楽・人形劇など)を楽しみます。
定期的・継続的に観るので、舞台鑑賞(定)例会と言います。

2021年1月14日(木)・15日(金)19:00開演、高知市文化プラザかるぽーと小ホールにて、
<低学年例会> 人形劇団ひとみ座『岸辺のヤービ』の上演がありました。
*この作品は、2020 年 5 月例会として観る予定でしたが、コロナ禍により延期となり、8 ヶ月ぶりに出会えた作品でした。

実はこの作品は、以前に他県で一度観たことがあったのですが、その時は息子が小さく、今回大きくなった息子がどんな違った反応をするのか楽しみにしながら観ました。
ヤービはハリネズミにもどこか似た架空の生き物で、マッドガイドウォーターというキレイな湖に住んでいます。
人形達は原作に忠実に再現されてるようで、服などもおしゃれで可愛く、見どころ満載でした。
可愛らしい外見やふわふわほっこりしたファンタジックな雰囲気に反して、中身はとても現実的で、しゅっと背筋が伸びるような、私達の生活にも通ずる考えさせられる作品でした。
それが、ひとみ座の皆さんの躍動感溢れる人形劇になっていて、優しい通る声で、すっと入って来ます。


ヤービのいとこが、今まで当たり前に食べていた食べ物が誰かの命を犠牲にしてることを知り、残酷だと悩むところからお話が始まるのですが、それに対するヤービのお父さんお母さんの対応や見守り方が、優しく納得できるもので、子どもの疑問に対してこういう対応ができる大人になりたいなと思いました。
新しく出会った友達に、新しい世界や考え方を教えてもらったり、自分と違った考えの人もただ受け止めることの大事さを感じました。
また、環境破壊などについても考えさせられましたが、結局、ヤービ達が今いる場所よりもより良い安全な場所を求めようとしても、完璧な場所なんて見つかりません。
今いる場所で精いっぱい生きていく事、より良く暮らせるように日々を工夫したり、小さな楽しさを積み重ねていくことなどが大事なのかな、と思いました。

人間に環境を破壊されるけど、ヤービがミルクキャンディをもらって助けられ、そのお礼をしたいと思って話始める相手のうたどりさんは人間で、人間とヤービの交流が描かれているところが優しい視点で素敵だなぁと、原作も読んでみたくなりました。
人間も小さな生き物も、難しい部分もありながらもみんなで共生していけたらなぁ、していけるように考えないといけないなぁ、なんて考えさせられる、今の時代にあった作品だと思いました。
分かりやすくて、ただただ共感することがたくさんあり、息子も楽しんでいました!
以前観たときは息子が今より小さかったので少し難しいかなと心配もしたけど、今回すんなり受け止めていたところを観て成長を感じました。こども劇場で観続けていると、そういう楽しみもありますね。
観終わってからも、日常の散歩などの途中にふと思い出して、ヤービほんとにいたらどうする?どんなところにいるかな?どれくらいの大きさかな?

ヤービが住めるくらい綺麗な川ってどんなところだろうね?
なんて、親子の会話が弾んだりもして‥
息子がもっと大きくなったらまた観たいなぁ、と、いつまでも大切にしたくなるような物語でした。

川村

 

今回は、TSUTAYA 中万々店さんが書籍販売に来てくださっており、ヤービの世界を実写化した、繊細で綺麗で可愛らしい手作りのディスプレイの中に原作本などが並び、否が応でもテンションが上がりました。

 

 

コロナ対策について

 

検温・手指消毒・手洗い・マスク着用・換気を行い、密にならないような会場作りをし、終演後は順番に退出するようにしました。

 

 

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